賃金の支払いについて・派遣先を通じて派遣労働者へ賃金を支払うことはできる?


賃金の支払いについて、労働基準法で決まりがあります


 ここでは、まず労働者に対する賃金の支払いについてご説明します。
賃金の支払いについては、労働基準法第24条で以下のように決まりがあります。

①賃金は、通貨で直接労働者に全額を支払わなければならない。
②賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。

つまり、賃金は通貨で少なくとも毎月1回、支給日を定めたうえで直接労働者に全額を支払わなければならないということです。通貨以外のものによる現物給与の支給は禁止されていますが、退職手当についてはその額が高額になる場合があり、現金の保管や持ち運びに伴う危険を回避する必要があることから、労働者の同意を得た場合には小切手による支払いが認められます。
また、賃金の直接払いについて、労働者の同意を得た場合には銀行口座への振り込みによる支払いが認められます。


 

賃金から控除できるもの


 先程、賃金は直接労働者に全額を支払わなければならない、とご説明しましたが法令により定められているもの(所得税・社会保険料・雇用保険料・住民税)は特別に控除することが認められています。
また、労使協定を締結することで、たとえば寮費・福利厚生の費用・組合費などを控除することが認められることとなります(労使協定を締結しない限りは、所得税・社会保険料・雇用保険料・住民税以外の控除は認められません)。
協定書には、少なくとも以下の内容は記載すべきとされています。
 ①控除の対象となる具体的な項目
 ②控除の対象となる各項目別に定める控除を行う賃金支払い日



毎月1回以上・一定の期日を定めて支払う 


 賃金は少なくとも毎月1回、一定の期日(支払い日)を定めたうえで支払わなければなりません。「毎月」とは、1日から月末までの間に少なくも1回は賃金を支払うこととなります。なお、賃金の締切期間については、必ずしも月の初日から起算して月末に締め切る必要はなく、たとえば前月の26日から当月の25日までを1つの期間とすることは差し支えありません。

また、支払い期限については、必ずしもある月の労働に対する賃金をその月中に支払う必要はなく、不当に長い期間でない限りは、締め切り後ある程度の期間を経てから支払う定めをすることも差し支えありません。

 「一定の期日」とは、期日を特定し周期的に到来するものでなければなりません。たとえば「月の末日」や「25日」とすることは差し支えありませんが、「毎月15日から20日までの間」や「毎月第2土曜日」にように日が特定しない定めをすることは認められません。



直接払いの例外・派遣労働者に対する賃金の支払い


 労働基準法第24条にて、賃金は直接労働者に支払わなければならない、と定められていますが以下のような例外があります。
 ①使者に対する賃金の支払い
⇒たとえば、労働者が病気欠勤中に妻子が賃金の受領を求めるようなとき
 
 ②派遣中の労働者の賃金を派遣先の使用者を通じて支払うこと
⇒派遣先の使用者が派遣中のル御同社本人に対して、派遣元の使用者からの賃金を手渡すことだけであれば差し支えないとされています。