労働者を雇用したら、備えなければならない法定帳簿とは?


労働者を雇用したら法定帳簿を備え保存する義務があります


 会社や個人などの使用者が労働者を雇用した場合、労働基準法で定めた帳簿を作成して保管する義務が発生します。それは、労働条件に関する最低基準を定めた「労働基準法」、労働者の安全と健康を確保する目的である「労働安全衛生法」、労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して公正な保護等を図る「労働者災害補償保険法」が使用者に対して適用されるからです。

労働基準法では、労働者を雇用する使用者に対して、次の帳簿を作成・保管することを義務づけています。

①労働者名簿
②賃金台帳
③出勤簿
④労働条件通知書

また、労働安全衛生法では、以下の帳簿を作成・保管することが義務づけられています。

・定期健康診断の結果

最後に、労働者災害補償保険法では、以下の帳簿を作成・保管することが義務づけられています。

・労働保険関係成立届・概算保険料申告書

 上記のそれぞれの法定帳簿には保存期間が定められています。以下で詳しくみていきましょう。


 

労働基準法で義務づけられている帳簿・書類


 労働基準法により作成・保存が義務づけられている「帳簿」についてみていきましょう。


 まず、「労働者名簿」については労働基準法第107条にて、各事業場ごとに、日雇労働者を除いて各労働者の労働者名簿作成し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入することが定められています。

 「賃金台帳」については労働基準法第108条にて、各事業場ごとに、基本給や手当の種類・額、労働日数、労働時間数などの事項を賃金支払いの都度記入することが定められています。

 なお、給与明細に記載する事項については法令による定めはありませんが、たとえば給与明細の写しを賃金台帳として保管する場合には、給与明細にも賃金台帳に記入すべき事項が求められますのでご注意ください。

 「出勤簿」に記載する事項については労働日、始業・終業時刻、労働時間の事項を記載することが定められています。

 次に、労働基準法により作成・保存が義務づけられている「書類」についてみていきましょう。


 「労働条件通知書」については労働基準法第15条にて、労働契約の締結にあたって賃金、労働時間、その他の労働条件を明示しなければならないことが定められています。

また、原則書面で交付することが義務づけられていますが、労働者が希望した場合はFAXやメールにて明示することができます。ただし書面で出力することができるものに限られます。


保管期限と罰則について 


 これまで述べた法定帳簿については「3年」の保存期限が定められています。なお、保存期限に違反した場合は「30万円以下の罰金」に処せられます。


その他の書類について


 それでは、労働者を雇用した後に備え付けるべき書類についてみていきましょう。


 まず、「労使協定書」、「各種許認可に関する書類」については、たとえば労働基準法第36条で定められた「時間外・休日労働に関する協定届(36協定届)」をいい、保存期間は締結後より「3年」となります。

 「災害補償に関する書類」については、たとえば「診断書、補償の支払や領収関係書類」をいい、保存期間は補償終了日より「3年」となります。

 「定期健康診断の結果」については、労働安全衛生法第66条3項にて健康診断の結果を記録することが定められてます。保存期間は健康診断の結果を労働者本人に通知した日より「5年」となります。

 「雇用保険に関する書類」については、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」の保存期間は「4年」、そのほかの書類の保存期間は「2年」となります。

 「労働保険関係成立届・概算確定保険料申告書」の保存期間は「3年」となります。


以上、労働者の雇用時・雇用後の法定帳簿についてご説明しました。
違反した際の罰則が設けられており、また労働局の定期監査項目となりますので、ここでしっかりと確認しておきましょう。