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〈給与計算基礎編〉割増賃金の種類や計算方法について①


割増賃金とは


 今回は、給与計算の中で基礎となる「割増賃金」がテーマです。
賃金とは,その名称を問わず,使用者が労働者に対して労働の対価として支払うすべてのもののことをいいます(労働基準法第11条)。

 この賃金には,「割増賃金」というものがあります。割増賃金とは,通常の賃金(正確には「基礎賃金」といいます。)に一定の割合で金額を割増した賃金のことです。
 
 具体的にいえば,使用者は,労働者を法定の労働時間外、22時から5時までの深夜時間帯、または法定休日に労働させた場合、所定の賃金に一定割合上乗せした賃金を支払わなければならないとされています。この上乗せされた賃金が「割増賃金」です。

 ここでは、割増賃金の種類・割増率・計算方法についてご説明します。

 

 

割増賃金の種類と割増率について


 まず、割増賃金の種類と割増率について見ていきましょう。

労働基準法では、使用者が労働者を労働させることのできる法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を定めています。

使用者はこの法定労働時間を超えて労働をさせる場合(時間外労働)、労働者に割増賃金を支払う必要があります。また深夜(22時から5時)、そして最低でも週に1日または4週に4日を設けなければならない法定休日に労働をさせる場合にも、割増賃金を支払う必要があり、それぞれ以下のような割増率となっています。

 たとえば、時間給1,000円で働く労働者の場合、時間外労働1時間につき1,250円(1,000×1.25)支払う必要があります。

深夜(22時から5時)に労働させる場合は、深夜時間外労働1時間につき250円の深夜手当を支払う必要があり、週に1日または4週に4日を設けなければならない法定休日に労働させる場合は、1時間につき1,350円を支払う必要があります。

 なお、時間外労働が1か月60時間を超えた場合には、大企業の場合は割増率が「50%」となるため、時間外労働1時間につき1,500円(1,000×1.5)を支払う必要があります。
※中小企業には2023年4月1日から適用となります。

〈例〉時間外労働の割増率
所定労働時間が9時から17時(休憩1時間)までの場合

〈例〉法定休日労働の割増率9時から24時(休憩1時間)まで労働させた場合


月給制に対する1時間あたりの賃金の計算方法について

 

 次に、月給制に対する1時間あたりの賃金の計算方法について見ていきましょう。
月給制に対する時間給への算出式については、以下のとおりです。

月給÷1時間における1か月平均所定労働時間

なお、月給には以下のものは含まれません。
・家族手当、扶養手当、子女教育手当
・通勤手当
・別居手当、単身赴任手当
・住宅手当
・臨時の手当(結婚手当、出産手当、大入り袋など)

ただし、家族手当、交通費などが一律支給の場合は月給に含めます。


時間帯ごとに時給が異なる場合の割増賃金計算

 

 時間帯ごとに時給が異なる場合は、時間外労働が発生した時間帯で決まっている賃金額をもとに割増賃金計算を行う必要があります。

Aの場合は、時給1,000円の時間帯に法定労働時間1時間を行ったため、この割増賃金は、

1,000円×1.25=1,250円

Bの場合は、時給1,200円の時間帯に法定労働時間1時間を行ったため、この割増賃金は、

1,200円×1.25=1,500円

 以上、割増賃金の種類と計算方法についてご説明しました。
次回は、さらに詳しい内容についてご説明します。
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