top of page

〈就業条件明示書&派遣先通知書編〉労働者派遣事業の契約書について②


労働者派遣事業に必要な契約書とは


 前回に続いて、労働者派遣法第26条に定められている労働者派遣事業の契約に必要な書類について説明します。
労働者派遣法第26条では、以下の内容について定めています。

(契約の内容等)
第二十六条 労働者派遣契約(当事者の一方が相手方に対し労働者派遣をすることを約する契約をいう。以下同じ。)の当事者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣契約の締結に際し、次に掲げる事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて派遣労働者の人数を定めなければならない。※以下省略

労働者派遣事業の契約について必要な書類は以下のとおりです。
①労働者派遣契約書
②就業条件明示書
③派遣先通知書
④派遣元管理台帳
⑤派遣労働者を雇い入れようとするときの明示
⑥労働者派遣をしようとするときの明示
⑦待遇に関する情報提供

今回は、「就業条件明示書」と「派遣先通知書」に記載すべき内容について見ていきましょう。

 

 

就業条件明示書へ記載すべき項目とは


 派遣労働者に対する就業条件等の明示は、派遣労働者や派遣先との間において就業条件等を明確にすることでトラブルの発生を防止するとともに、就業条件等の内容を遵守させるために有効であると考えられることから、派遣法第34条にて、労働者派遣をする際に、派遣労働者へ明示することが義務づけられています。

これを明示書にしたものが「就業条件明示書」であり、派遣法第34条にて記載すべき項目が以下のとおり決まっています。

〈記載すべき項目〉
①労働者派遣をしようとする旨
②派遣労働者が従事する業務の内容
③派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度:派遣労働者が従事する業務に伴って付与されている権限の範囲や程度などを記載すること。また、リーダーなどの役職がある場合はその役職を、役職が無い場合は「役職なし」と記載すること。
④就業先の事業所の名称・所在地や就業場所と組織単位:派遣労働者が実際に派遣就業する事業所その他の施設の名称、所在地のほか具体的な派遣  就業の場所及び組織単位(組織の名称)も含むものであり、原則として、派遣労働者の所属する部署、電話番号等必要な場合に派遣元事業主が当該派遣労働者と連絡がとれる内容であること。加えて、組織単位を特定するために必要な事項(組織の長の職名)を明記することが望ましい。

⑤指揮命令者に関する事項:指揮命令者の部署、役職、氏名を記載すること。
⑥就業日:具体的な曜日または日を記載すること。
⑦始業・終業時刻および休憩時間:労働基準法で定める法令時間内であること。
⑧安全及び衛生に関する事項:派遣労働者の安全、衛生を確保するために必要な事項を記載すること。
⑨苦情処理に関する事項:派遣労働者の苦情の申出を受ける者の氏名・役職・連絡先、苦情処理方法・体制を記載すること。

⑩派遣契約の解除にあたって講ずる派遣労働者の雇用安定措置:契約解除の際の事前の申入れ、派遣先における就業機会の確保、休業手当などの損害賠償などの適切な措置、派遣契約解除の理由の明示について記載すること。
⑪紹介予定派遣後の労働条件など:派遣契約が紹介予定派遣契約の場合は、直接雇用後の業務内容や労働条件などについて記載すること。
⑫ 派遣労働者個人単位の期間制限に抵触する最初の日:期間制限のない労働者派遣に該当する場合はその旨を記載すること。
⑬ 派遣先の事業所単位の期間制限に抵触する最初の日:期間制限のない労働者派遣に該当する場合はその旨を記載すること。

⑭ 派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項:(氏名・役職・連絡先)
⑮ 派遣先が、派遣就業をする日以外の日に派遣就業をさせることができ、又は派遣就業の開始の時刻から終了の時刻までの時間を延長することができる旨の定めを労働者派遣契約において行った場合には、当該派遣就業させることができる日又は当該延長することができる時間数:派遣元の36協定届に定める時間数および日数を記載すること。

⑯福利厚生施設の利用等:労働者派遣法第40条第3項の規定に基づき派遣労働者に対しても利用の機会を与えなければならないこととなっている給食施設、休憩室、更衣室以外について記載すること。

⑰派遣先が派遣労働者を雇用する場合の紛争防止措置:派遣先が、労働者派遣終了後に、当該派遣労働者を雇用する場合に、派遣先が事前に派遣元に通知すること、派遣元が職業紹介を行うことが可能な場合に職業紹介により紹介手数料を支払うこと等の措置を記載すること。
※派遣先が派遣元に紹介手数料を支払うのは、派遣元が職業紹介の許可を受けており、派遣先がその職業紹介により当該派遣労働者を雇用する場合に限られます。

⑱雇用・社会保険の被保険者資格取得届の提出無の理由:健康保険被保険者資格取得届等の書類が行政機関に提出されていない場合は、その理由を記載すること。

<社会保険の未加入の理由:例>
1週間の所定労働時間が15時間であるため

⑲期間制限のない労働者派遣に関する事項:有期プロジェクト業務、日数限定業務、育児・介護休業等の代替業務等の場合は期間などを記載すること。
⑳派遣先事業所における期間制限に抵触する最初の日:期間制限のない労働者派遣に該当する場合はその旨を記載すること。

㉑組織単位における期間制限に抵触する最初の日:期間制限のない労働者派遣に該当する場合はその旨を記載すること。
また、派遣先が派遣先の事業所単位の期間制限、または組織単位ごとの期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合、労働契約申込みみなし制度の対象となる旨を併せて記載すること。

 以上が就業条件明示書に記載する項目となります。
なお、こちらの内容は労働局の定期監査対象となっておりますので、漏れなく記載してください。



派遣先通知書へ記載すべき項目とは


 派遣労働者を派遣先にいつ、どのように派遣するかは派遣元事業主が決定し、派遣先は、派遣元事業主が定めた派遣労働者を当該派遣労働者に係る派遣就業の条件に従って就業させることとなりますが、派遣先における派遣労働者の適正な雇用管理を確保する目的から、派遣法第35条にて、派遣労働者の氏名や年齢など必要な情報を通知することが義務づけられています。

これを通知書にしたものが「派遣先通知書」であり、派遣法第35条にて通知すべき項目が以下のとおり決まっています。

〈通知すべき項目〉
①派遣労働者の氏名及び性別:派遣労働者が45歳以上である場合にあってはその旨、派遣労働者の氏名及び性別、派遣労働者が18歳未満である場合にあっては当該派遣労働者の年齢並びに氏名及び性別を通知します。

②協定対象派遣労働者であるか否かの別:労使協定書方式に該当するか否かを記載すること。
③無期雇用派遣労働者か有期雇用派遣労働者であるかの別
④健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無:健康保険被保険者資格取得届等の書類が行政機関に提出されていない場合は、その理由を記載すること。

<社会保険の未加入の理由:例>
1週間の所定労働時間が15時間であるため

 以上が派遣先通知書に記載する項目となります。
なお、こちらの内容は労働局の定期監査対象となっておりますので、漏れなく記載してください。



就業条件明示書・派遣先通知書の手続き

 

 就業条件明示書の手続きにあたっては、書面または出力できる状態であれば電子メールでのやり取りも認められており、社印の押印について省略することも認められています。

 なお、派遣先通知書にあたっては、書面の交付またはFAX、電子メール等の送信をすることにより行うこととなります。
また、通知後に当該事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を派遣先に通知する必要があります。

 以上、今回は就業条件明示書と派遣先通知書について説明いたしました。

派遣事業をするうえで、基本的な書類となりますので、ここでしっかりと確認しましょう。
bottom of page